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バリ島現地情報コラム・バリマニア  オゴオゴ myギャラリー2020年
いまさらですが、今年のニュピは2012年3月23日でした。
大体毎年3月頃にやってくるのですが(※サカ暦によるので毎年日にちが多少ずれていきます)、ニュピの前はバリ人男性、 バンジャールに属するものはオゴオゴ製作に忙しい時期。
大体ニュピの1ヶ月前から製作開始、大作だともっと前から始まっています。
バンジャール(町内会)に属していても、バリ人以外(ジャワ、チャイニーズインドネシアン)や賃貸住まいの他島出身の人たちは製作にはタッチせず、寄付だけ。 ここが地元、実家っていう家庭の男性が主に中心となって製作しているようです。
大人だけでなく子供も小学生のうちから参加。町内寄付活動にまわって、制作費集めをします。
大人の作っている横で、小さいうちから作っているので、さすが技術も上達していくものですね。
いつも感心するのは、ほんとに普通の村人が作っているんですよ!美大出身やら、工芸職人とかでもなく。バリ人って普通に芸術的才能のある人多いですよね。
バンジャール(集会所)ごとに製作、デンパサールだと、町内ひとつの通り道に2件ほどの頻度でバンジャールがあるので、結構オゴオゴだらけです。
オゴオゴ(Ogoh Ogoh)とは、張りぼて。 数メートルの高さのものを作ります。
人体はデザインにもよりますが、発泡スチロール製。大まかにカットして、後はヤスリ、サンドペーパーで滑らかに形を整えていきます。
又は、竹などで骨組みをつくり、湿らせた新聞紙や薄紙を貼り付け糊づけしたり。
体が完成したところで、しっくい?(壁にペンキを塗る前に下塗りするやつ)で覆い、色を塗っていきます。
体と頭などは別々に、パーツごとに製作し、後で繋げているようです。デザイン的に頭は先部分になるので、竹や鉄棒を軸にして、ひとつにします。
肝心のフィニッシング装飾も年々、手が込んでいて、お祭りで人々が使う飾り、人毛を使ってリアルになってきています。 また、筋肉筋やらの陰影をいれたりと、立体感があって技術もかなり高い!
いかに不安定なバランスのものを作れるかというのにもみんな注目していて、デザインは、地域や流行もありますが、いずれもおどろおどろしいデザイン。 悪霊、鬼やら、ゾンビ、妖怪(空想生物)らしきもの。子供が作るものだと、アニメのキャラクターだったりとかわいいものもあったりして和みます。
タバナンエリアのほうだと、牛車にを従えたデザインのものが多かったです。

ニュピ前々日あたりになると、完成したオゴオゴを道路側に出して、見てくれいわんばかりに立派にディスプレイ。 (このせいで、道路が狭くなり、この時期、渋滞の元になっています) みんな写真を撮りまくり、オゴオゴ見学巡りする人で賑わいます。
今年は、デンパサール市内、サヌールエリアまで遠征して子供とバイクに乗ってオゴオゴを探しまわっておりました。 新しいオゴオゴ探しが、毎日日課になって、かなり見たのですが、途中から写真を撮り始めた分の1部12枚を掲載しますね。

【オゴオゴ myギャラリー2012年】

左)アートセンターのオゴオゴがデンパサール市街で一番の大作。でかい!さすがの貫禄! 聖水をかけるお坊さん、手に持っている動物の毛、傷口などかなりリアル。片足立ち
右)ピンボケ写真になってしまたけれど、これも絶妙バランス!赤鬼の技術レベルはそれほど高くないけれど、 真ん中の縄に巻かれた(鞭)からメインの1体、反対の腕でもう1体赤鬼を引っ張ってる(浮いている!)折れそうなデザイン。


左)真ん中首にサロン、鞭を巻きつけられ3体が宙に浮いている!
右)なびかせた布で立たせています。ひざ小僧とつま先でつなげ、上の1体が大きいのでバランス調整が大変だったはず!


左)すごい形相でクリスをもって、怪獣に襲いかかっております。怪獣が足をつかんで繋がってます。
右)頭キックの2面鬼。蹴られている鬼も片足立ち。抜け落ちた歯が、ぶらぶらしていたのもリアル。


左)顔がガジャ(象)。表裏に顔があって、手も4本と豪華なつくりで、つま先立ち。細部丁寧で、見学者がひっきりなしでした。
右)「オゴオゴ製作が始まる」といった新聞記事で取上げられたこちらのオゴオゴ。村人の手、肩ー豚の足、 豚の口元ー鬼2体がつながった絶妙のバランスが素晴らしい!


左)顔が9つ、手が4つ。爪先立ち。他ではみかけたけど、デンパサールではこのデザインは結構あまりなかったかも。
右)こちらも布立ちで5体も浮かせております!特に右側2体って不安定そうですね。


左)犬が鬼の服を引っ張っての、犬の片足立ち。仰け反ってるのが、簡単なようで難しそう。
右)こんな小ぶりなオゴオゴも和みます。(っていっても2メートル以上はあるけれど)1人片足立ちで、もう1人の体を触らせ(つなげて)浮かせています。

翌日ニュピは静寂の日。地獄の主神ヤマが大掃除をするので、地下界の悪霊が地上界に逃げてやってくるといわれています。
ニュピの3日前はムリスという神像沐浴の儀式、前日はムチャルという悪魔祓いの儀式をしてニュピを迎えます。
このムチャルという儀式にあたるのがオゴオゴ練り歩きにも含まれるのだと思われますが、宗教的儀式っぽくはなく、お祭りイベント的。 ガムラン演奏ガチャガチャ、松明、爆竹(通りがかり知らない子供にいたずらされたり)とバリ人にとって心躍るイベント。

ニュピの前日に練り歩くオゴオゴ。この練り歩きのためだけに作られ、翌日にはごみとなって焼却されてしまうのに、この完成度。熱意はすばらしい! 最近は、バンジャールによってはニュピ後ももったいないので、しばらく飾っているところもあったり、大作ものはレンタル、売りにだされたりもする。 (大作だと製作に数十万円ほどはかけている)
ニュピ前日は、大体18時あたりから道路閉鎖でオゴオゴの行進が始まるので、夕方から車移動は控えましょう。
ローカル見学者でごった返しです。 人々でごった返すわ、夜暗くなって写真も綺麗に撮れないわなので、ニュピ前のオゴオゴ鑑賞巡りもかなりお勧めですよ!

第72話 2012/4/22